今回ご紹介するのは
モスクワ・ノーヴァヤ・オペラ(新歌劇場)の
2012年の上演です。
サモイロフ指揮、
リムスキイ-コルサコフ版。
プロローグ、序曲、1幕、2幕、4幕の順の上演。
4幕はラメントの直後にイーゴリの帰還と二人のデュエット、
そして農民の歌で終幕となります。
casts
イーゴリ公/ アルタモノフ
ヤロスラーヴナ/ ポポフスカヤ
ヴラヂーミル/ タタリンツェフ
ガーリチのヴラヂーミル/ スタヴィツィイ
コンチャーク/ クダーシェフ
コンチャコーヴナ/ ?
ネタバレ的な感想になります。
この劇場の上演は歌唱よりも演技、演出重視という印象。
時代設定も12世紀末よりずっと近代に寄っています。
プロローグから登場するイエスのような放浪僧が
どうも本当に裁く者のようで、
プロローグで出征して行くイーゴリ軍に祝福を与えない、
ポーロヴェツ人の踊りで飲み潰れるイーゴリを冷静に観察し、
帰還後、再度軍備を整え戦うと折れた剣を振り上げる
イーゴリの腕をおろさせる、など重要な役割を演じています。
イーゴリ公の再出陣で幕を下ろす演出は
この前にご紹介した
マリインスキイの映画版や、
アストラハニの野外上演でも採用されており、
ともすると愛国心を鼓舞する印象をうけるのですが、
ノーヴァヤ・オペラの上演ではこれらと
一線を画す演出が取られています。
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