2020年06月05日

ヤクーツク歌劇場・2015年上演



2015年に北京、2016年にヤクーツクで上演された
ヤクーツクのサハ共和国国立オペラ・バレエ劇場による
『イーゴリ公』全2幕。

ニコライ・ピクツキー指揮、
アンドレイ・ボリソフ演出。

casts
イーゴリ公/ バイシェフ
ヤロスラーヴナ/ ゲラシモヴァ
ヴラヂーミル/ ポポフ
ガーリチのヴラヂーミル/ ザボロツキー
コンチャーク/ グロモフ
コンチャコーヴナ/ コリャキナ

口琴奏者/ クリヴォシャープキナ

イーゴリ公のモノローグや『ムラーダ』終曲を使用した
レヴァショーフ版を使用しているとのこと。
「ポーロヴェツ人の踊り」の振付はレジス・オバディア。
郷土色豊かなプログラムで、
サハの民族衣装をイメージした衣装や
場面転換に登場する有名な口琴奏者(シャーマンという役)が
印象的です。
楽曲も順番を変えるほか、
大胆に編曲、歌詞変えを行っています。

●第1幕
口琴、
リムスキイ-コルサコフ版のプロローグ、
第1幕第2場のヤロスラーヴナのアリオーソ、
第1場を挟んで第2場の続きへ。
第4幕のヤロスラーヴナの嘆き
第2幕のイーゴリ公のアリア、
オヴルールの場面、
見張りの合唱、
口琴

●第2幕
(リムスキイ-コルサコフ版の第2、3幕の曲を素材に
かなり自由にアレンジしています。)
口琴、
第2幕からポーロヴェツの娘たちの合唱、
コンチャコーヴナのカヴァティーナ、
ヴラヂーミルのカヴァティーナ、
二重唱、
コンチャークのアリア、
第3幕から見張りの合唱、
イーゴリ公のモノローグ、
『ムラーダ』氾濫の場面、
大胆な編曲でイーゴリ公の逃走の場面、
『ムラーダ』氾濫、冥福の場面、
三重唱、
コンチャークのアリア、
口琴、
ポーロヴェツ人の踊り、
口琴、
第4幕から農民たちの合唱
プロローグから民衆の合唱

物語はイーゴリ公らの出陣、
イーゴリ公がいないプチーヴリの様子、
ポーロヴェツの襲来、
互いに離れた地で帰還を願うイーゴリ夫妻、
ヴラヂーミルとコンチャコーヴナの恋、
イーゴリ公の脱出、
ヴラヂーミルとコンチャコーヴナの婚礼
(ポーロヴェツ人の踊り)
イーゴリ公の帰還、
フィナーレ、と進みます。


サハ共和国の特色を生かした衣装や効果が
これまでにない『イーゴリ公』を演出しています。
この点ではルーシ対ポーロヴェツを
ロシア、中央と地方の対比として捉えて
共感を呼ぶのかもしれません。

その個性をさっぴいても独特なプログラムで、
プロローグのイーゴリ公のソロは
出陣する身内の公たちが合唱として加わる他、
ヤロスラーヴナの嘆きも5人のソプラノが
歌い継ぎます。
黙役のトループチェフスク公(イーゴリの弟)と
ルィーリスク公(イーゴリの兄の息子)は
イーゴリ公の脱出時にも歌います。
イーゴリ公らは船で出陣しますし、
『ムラーダ』に合唱がつくのも
このプログラムが初めてかもしれません。
かなり奇抜で意欲的な演出です。
posted by Vindobona at 18:08| Comment(0) | 歌劇『イーゴリ公』動画紹介
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